戻る

    スイスへ戻る    ベネチアへ続く     ドバイ寄り道観光



ミラノ ちょこっと道草観光
(2011.07.13 水)

ミラノは学生時代である38年前の2月の深夜の4時半ごろに、列車で通過したことがあるはずだ。当然ながらその時は寝ていたので、覚えてはいない。
そんな思い入れもあり今回のツアー旅行予定を、スイスのツエルマットからブリーク乗換えでベネチアへ列車移動の途中、ミラノで途中下車し3時間ほど観光できるように、旅行社に変更してもらった。ツアーで私だけの途中下車である。

しかし、イタリアから来て折り返し予定の列車が遅れ、ブリークで乗る予定だった列車EC037へはイタリアからの乗車となった。ミラノ到着 11:35(予定)が12時45分到着になった。ミラノ出発は14:35のESC9927だから、持ち時間は、1時間50分しか無くなった。

12:45ミラノ中央(Milano Centrale)駅に着いた。ホームは3階にある。涼しいスイスから下りてくると暑い。ミラノは30度Cを超えている。


ミラノ中央駅は、小田急藤沢駅と同じく、駅が行き止まりになっていて、到着と出発は列車の進行方向が逆になる。なお、写真の先がミラノまでの先頭車両の一号車方向。

スーツケースを預けようと、一階の荷物預かり所「Baggage leave?」へ行くまで探しながら移動したのと、預け場所では2台ある荷物検査機の1台が止まっていたためか混んでいた。預け終わるまで15分掛かった。料金は5時間まで4ユーロ(引き取り時に支払い)。ちなみに、日本で荷物預かり所の場所を調べたら3階のホーム横と書かれていたものがあった。しかしそれは古い情報で、2011年7月時点では、駅構内エスカレータの最下階の一階だった。

荷物を預け終わったら、地下鉄駅(CENTRAL)へ直行した。
荷物預かり所の横の通路に地下鉄への誘導マークがあったのでそちらへ行ったら緑色の2号線だった。
ミラノ駅内。赤いMはミラノ地下鉄のロゴ。



目的のドゥオーモ駅(DUOMO)へは橙色の3号線なので、そこから200メートル歩いて3号線に乗った。ドゥオーモ駅への乗車時間は13分程度。



12:24。地下鉄のドゥオーモ駅出口を出たら目の前にドゥオーモがあった。偶然だが一番良い出口から出たようだ。
小雨が降っていたが、放射能の心配がないので傘を差さずに、広場を歩く人が多いのがうらやましい。


中央の高い部分が尖頭アーチ部分(鋭角になっているアーチ部分を言うらしい)で、脇にある建物が飛び梁(アーチが崩れないように横から押さえる部分)になる。それらが細かい塔によって装飾され、華麗で美しい教会になっている。入場無料だが入口で荷物検査がある。日本人の私は、肩のリュックも下ろさずにOKだった。

ドゥオーモ内部。ゴシック様式の代表的な建物だと言われる。



アーチ建築は石を積み上げて作る。石には上下方向とアーチが広がる横方向に力が掛かる。横方向の力を建物内で処理しなければならない場合、アーチ状に積み上げた石に掛かる横方向の力を分散するため、アーチの先端角度を鋭く、縦長のアーチにしたほうが安定する。よって、広い空間を持つ建造物が建築可能になる。ところが威厳ある建物にするため柱を高くすると、高くするほど横方向の力に弱くなるので、何とかしないと崩れてしまう。そこで、横方向の力が掛かる垂直柱との接合部分より上(アーチ部分)を、飛び梁といわれる、横に広がるアーチで押さえる。そんな建築物がゴシック様式だ。前から見ると三角屋根なのは、飛び梁で次第に高さを低くするので三角形になるからだ。この建築が盛んな頃はまだ構造物にかかる応力が分からなかったらしく、アーチと垂直柱の接合部付近から飛び梁を出している建築が多いそうである。当然、アーチ部分で発する横方向の力が処理されていないので、昔はよくアーチが崩れたらしい。
皇居の二重橋もアーチだがアーチ部分が単純な半円形なのは、両脇が大地なので横方向の力が加わってもブレないからだ。

高い尖塔アーチは下写真で左右方向に作られている。
写真の前後方向は小さいアーチなので、広場からの外観写真の入口部分のように太い柱で押さえて処理している。
私は建築系出身でないが、そんなことは「チェモシェンコの材料力学(すごく懐かしい。しかし会社員時代に一度もその知識は使わなかった)」を学んだので分かる。


柱の間に絵画(タペストリー?)を飾っている。


下写真の前方に中央アーチの横に少し小さいアーチが2つ見える。飛び梁部分を、礼拝堂としても使っているのだ。
2つのアーチの右にもっと小さいアーチの飛び梁があるのだろうが、天井が低くなるので礼拝堂以外にしている。


柱が太い。この教会は石を積み上げただけの建築構造である。





屋上や地下にも行きたかったが諦めた。

ちょっと横から見るとドゥオーモの華麗さ繊細さが際立つ。
一番高い尖塔の上に黄金のマリア像がある。(飛んでいる鳥の右上)


大きな写真

13:30ドゥオーモの横にあるガレリア・ヴィットリオ・エレヌエーレ2世アーケード。平面図は十字架の形をしている。



中に入ったあと、ミラノ中央駅へ戻ることにした。上写真は地下鉄口前で、ガレリア・ヴィットリオ・エレヌエーレ2世アーケード入口。多分、このアーケードが150周年なんだろう。
あと5分持っていれば、このアーケードの奥にあるミラノ座へ行っただろうが残念だ。13:40

実質的な観光地巡りは20分だ。短か!。しかし他へは行けない時間になっているのだから仕方ない。


戻りの地下鉄車両は、冷房がなかった。開いた窓から熱風が入ってくる。
車両の中に50歳ぐらいのアコーディオン弾きがいて「森の熊さん」を演奏していた。これはイタリア民謡だったのかあ。
「あ、ある日、森の中、熊さんにー、出ああった‥」口の中でつぶやく。

荷物を出すときは、空いていて3分で済んだ。
預けたとき以上に、引出し時の預かり所が混んでいたら困ると、早く駅に着いたのに‥。
まあ、今回は全席指定の列車に間に合わないという、リスクは冒せないのだから仕方ない。
ミラノ駅の荷物預かり所。14:02


預けるのは先の部屋、出すのは手前ドアーの部屋。預ける人達は部屋の外まで並んでいる。

ホームがある3階着。14:05



14:12


この後、駅内立ち食いスナックでピザを買って昼食とした。





乗った列車ESC9927はミラノ駅定刻を14:35発し、ベネチアのサンタルチア駅に定刻通り17:10に着いた。

ミラノ地下鉄の切符。ミラノ中央駅の自動改札で切符が戻ってきた。ミラノ中央駅には地下鉄2号線と3号線が通っているが、駅外へ出ないと乗り継げないためだろう。
表面


裏面


ある人から「今回は1時間50分の滞在時間を持っていたが、1時間30分だったり、1時間や30分だったらどうしたか?」と聞かれた。
「1時間30分だったら荷物を預けないでタクシーで回った。1時間だったらミラノ駅で荷物を預け駅周辺をブラついた。30分だったら駅構内を見渡せる場所でコーヒーを飲んだ。」と答えた。知らない場所へ行ってとにかく見物するのが、旅行の楽しみだからだ。



**チョット嫌な気になったイタリア人の下品さ**

スイスで列車が遅れイタリアまで臨時列車に乗った。そしてイタリアに入ってSNCF社の第37番列車に乗り換えた。
列車に乗って私の席へ行ったらおばさんが座っている。「Sorry.This seat is reserved by me.」と言って退かそうとしたら、対面に座っていたおばさんの連れの男性が「お前の席は隣だ」と言い通路側の隣を指し示す。私のチケットにWINDOWと書いてよと言ったが2人とも譲らない。騒ぐほどのことでも無いので彼らがウソを吐いているのは分かっていたが「sorry、may be私が間違えた。」と言って譲ったら「ノン、プロブレム」なんて真面目な顔で言う。中国でも先客が正当な客に席を退かなかったという経験はしたことがない。しかし残念ながらイタリアは、列の横入いりが普通に行われているし、このようなマナーの悪い人が多い国だ。考えてみればイタリアが豊かになったのは、日本より後の時代だ。中国などのように、最近豊かになった国や人から、マナーの悪さで不愉快にさせられることが多いが、イタリア人もまだチョット自分が快適になったり面倒から逃げるため、自分が卑しくなるのを厭わない(気付けない)人が多いのだろう。窓際に座りたいのであれば、私へお願いすればよいのだ。私は気持ちよく譲る。
なお、下記のような座席案内のシールも窓上に貼られている。
63のおばさんが通路側で、62の私が窓際席という以外は解釈できない図だ。なお、おばさんが63というのは確かでないが、この図で私の右側の位置だった。eurostarの座席例

38年前のベネチア駅のトイレ、イタリア人はウ○チの後でお尻を拭かないのを発見し驚いたが、まだそんなレベルの人たちが多い国民に違いない。
しかし、その人たちが、今や日本より何割も豊かであるのが残念だ。

ミラノまでの切符(windowとも書いてある)


ミラノからベネチアまでの切符





スイスへ戻る    ベネチアへ続く     ドバイ寄り道観光



戻る




inserted by FC2 system