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高松へ(2011.08.25 木)  

9:30羽田発の全日空機で高松へ。
夕方に瓦町で開催される会合へ出席のためだ。

10:40高松空港着
空港11:00発のバスで琴平へ。


琴平宮

「琴平参拝の方は次のバス停でお降りください。」との案内放送がないと分からない。地味な普通のバス停で降りる。バス通りに観光客らしき人もいない。参道も運転手から「参拝するにはバス停の左の道を登ってください」と言われなければ気づかない普通の道だ。ここで降りたのは私一人。もっとも空港で乗ったバスの乗客は7、8人だった。

参道に入るとそれなりに観光客がいる。違和感を持ったが、どうも参道口付近に観光バスや自家用車の駐車場があるようだ。参拝客は一般の公共交通を使わない人がほとんどなのだ。

バス停から5分ほどの、階段下のうどん屋で昼食をとり、そこで荷物を預かってもらい出発。身軽になったので、杖は借りなかった。12:19







12:22


12:30





本宮に着く。12:39


奥社へは、ここまでの倍の階段を登らねばならず、また時間的なこともあり行かないことにした。人の流れも95%はここで折り返す。

本宮。12:46


下山開始。
降り始めた時に大声で話をしたがる頭が弱そうなおじさんに、歩調を合わされながら、話しかけられて困った。もちろん、しばらく無視していたらいなくなった。しかし、こういう人に、話しかけられたのは久しぶりだった。そして私は無視すれば済むが、彼の家族は、毎日もっと嫌な思いをしているに違いなく、大変であろうと思いやった。

琴電琴平駅に電車が入る。13:17



列車が入ったばかりなので安心していたら、別ホームの電車が目の前で出発した。次の発車まで30分待ち。

琴電の栗林公園駅へ。


栗林公園。14:50



15:01


入場券


琴電終点の高松築港駅へ。


高松築港駅着。15:33




玉藻公園(高松城址)

海側にある櫓。15:37


ここに天主閣は無い。石垣だけが残る。

お堀の水は海水を引き入れる。15:50


奥が修理中の天主石垣。

入場券



玉藻公園入口前の道を挟んで、高松駅前広場がある。
高松駅へ寄ってから宿へ行く。
宿はリーガ高松ゼストホテル。
汗を沢山かいた日だった。汗を流して会合へ。

高松は、食べ物がおいしい。食べ物に放射能の心配がなく、気が楽になるのでなお更だ。

2011.08.25終わり


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福島原発で何が起きたか、そしてその対策
(2011.10.28版政府への報告書)


今回の旅行のどこか忘れたが列車内に群馬県の観光ポスターがあった。「夏の一番の宿題は、いい汗をいっぱい流すこと。ぐんま」というポスターだ。
群馬県は詳細な食べ物の汚染状況を出さないで、子供に遊びに来てもらおうなんて、企画してよいのだろうか?と疑問に思った。新聞の朝刊に出る群馬の空中放射線量値が低いので、しばらく前まで群馬産の野菜を買っていたが、地上1メートルの値が発表されるようになったら高い。群馬県は悪いことは隠す体質じゃないかと思ってしまった。しかし、ようやく発表された放射能汚染図では、高崎や前橋の値が低いのがうれしい。群馬だけではないが、食べ物の放射線量測定値にND(検出せず)が多いのも気になる。
大体、NDはいくつ以下なのかも発表していない。1ベクレル以下なのか100ベクレル以下なのか、分からない。

ちなみに、私の住む神奈川は以下みたいだ(神奈川県のホームページ
〜その他の食品の検査機関ごとの定量(検出)限界値 (単位Bq(ベクレル)/kg)〜
上は2011.8.28に神奈川県のHPからコピーした検出限界値。

NDとは、放射性セシウムが40ベクレルかもしれないし0ベクレルかもしれないらしい。しかし、同じ神奈川の原発事故前の平成22年度報告書には0.12ベクレルという測定値もあり、定量限界値は0.10ベクレルと書いてある。原発事故後に定量(検出)限界値を400倍の40ベクレルにしたのは、神奈川県の農作物は20、30ベクレルのものが多いので、40ベクレルをND(検出せず)にしたのかと、どうしても疑ってしまう。情報公開が進んでいると言われる神奈川県でさえこんな気味の悪い情報公開を行っている。
また一県民の希望として、検出限界値の高い神奈川県の県衛生研究所には放射線量検査をして欲しくない。またそれに関連し気になるのが、放射線量が多いもの(しいたけや淡水魚など)は、必ず県衛生研究所が検査をしていることだ。

NDと発表される40ベクレルの放射性セシウムをある日に一回食べただけで、24時間で346万回、生体的半減期は無視すれば一年間に12億6千万回の核分裂が体内で起きる。毎日、40ベクレル食べれば一年目で毎日の体内核分裂は4604億回/日だ。そんなのが30年も累積したら毎日14兆回/日だ。健康被害が起きない方が不思議だ。さらに、骨に溜まるストロンチウムは検出されたと発表しただけで放射線量は発表していない。

群馬県などは、消費者を騙すようなことをしないで、正直に放射能の汚染情報を出して欲しいものだ。結局、そうすることしか観光客が来て、農作物が売れる方法はない。神奈川県のデータでは2010年には国産では生しいたけの2.3ベクレルが最高値の農作物だった。今年もNDなんて発表を止めて、全ての数値を発表してほしい。また、政府やマスコミは、福島原発事故によるガン発生率はほとんど変わらないというが、実際のところは10年後に判明する。そのときに後悔したくないが為に、今は汚染地区の食品を避け高い肉や野菜を買ったりしているのだ。
チェルノブイリ事故でさえ、10年後に東日本(この時も関東以北の東日本に放射能が多く降った)の小児ガンや乳がんの死者を3〜4倍にしたという説があるのに、今回の原発事故で政治家やお役人達は税金を使って放射線量を隠すことを仕事にして、良いことがあると思っているのだろうか?


ベラルーシでの土壌汚染と乳がん発生の関係

情報を隠されたおかげで早く病気になったり、奇形児が生まれるんじゃないかと恐々とするのが、良い社会と思う人はいない。当たり前だが、嘘を吐いたり情報を隠す仕事より難しいが、安心できる食べ物を提供したり正しい情報を開示する仕事をするのが公務員の正しい仕事だ。

ニューヨークタイムズより。


フランスのデータ


いつの間にか公開されていたデータ。(少なくとも9月までは公開されず、隠されていた)




汚染地図

福島事故原発からの発熱Bandicam_20110925_102235203(武田教授のブログ)
















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英紙(インディペンデンス)の福島原発事故起因によるガン患者の死者は100万人という予測記事
大げさと思うが、大げさと思う私には、そう思う根拠がなく、少なくなって欲しいという気持ちだけ。しかし、記事は科学者による予測であるのが悔しい。
津波による死者は老人が多かったので孤児の問題が大きくはならなかったが、ガンは若い人ほど進行が速い。記事が当ったら、今後に子供たちが20万人も死に、両親が亡くなった孤児も数万人レベルの大量発生という社会問題も起きる。心配である。

神奈川県の放射線量検査ページ2011.09.25のコピー。
上記を載せた8月28日よりND値が下がっている。8月28日は40ベクレルだけだったのが20だったり一桁だったりしている。喜ばしいことだ。
しかし、牛肉だけはNDが50ベクレルという水準だ。これは、農家が食牛に安い東北の放射能汚染された稲ワラを食べさせた件で引き上げたのだろう。他の食品より放射能汚染された牛肉を県民に食べさせてしまおうというという意図が見えて気持ち悪い。神奈川にも、税金を使って危険を隠したり、県民に放射能を食べさせることを仕事にしているお役人がいる。
放射線量検査は、ND値の低い川崎市衛生研究所でして欲しい。
9月25日の「米」は民間機関で2〜20ベクレルが検出限界と書いてあったが、どうせ20ベクレルが検出限界だ。海水魚のほとんどにセシウムが検出されているのも気になる。北海道の北側か紀伊半島以西の魚でないと危険なんだろう。ちなみに北海道産水産物の放射線量検査は細かくて良い。そのコピー

2011.11の読売新聞

海は、北海道ならオホーツク、日本海、そして太平洋なら静岡以西、できるなら近畿以西じゃないと危険だ。


下も放射能の海洋拡散図。読売新聞と同じく色と放射能濃度の関連説明はない。
http://www.asrltd.com/japan/plume.php
というサイトの2011.11.11時点の情報。右側の島はハワイ。




文部科学省(汚染モニター図)コピー(文科省のは隠されてしまった)
東京、神奈川はヘリコプターによる9/14〜18の5日間の調査という。こんなに簡単に測れるのならば3月の原発事故直後から、毎週のように調査し結果を公開するのが正しい。
汚染情報を隠し続けた管政権の責任は重い。管政権は原発事故時に風向きさえ隠して、首都圏の数千万人を被爆させた。CNNやNBC、中国電視台などは3月12日の原発事故直後から一時間に一回は福島からの風向きを報道し続けた。事故直後から日本の気象庁は外国放送局へ、福島からの風向き予測を公表したが、国内マスコミへは未公開だった。TBSだけは事故の数週間後(3/22の放射能雨には間に合わなかった)に、福島からの風向き情報を流したが、一週間ぐらいで止めた。止めた理由は不明。風向き報道を開始するときに、アナウンサーはTBSの独自システムと言っていた。
しかし、一時にしろ風向き報道をTBSだけが行ったことは、TBSに国家権力に逆らう気概が強い人が多いのかもしれない。
思い出すのが、日本人最初の宇宙飛行士は、ソ連のソユーズで宇宙に行ったTBSの秋山さんだ。このときも、国家から計画を止めるようにTBSへ圧力がかかったに違いない。しかし、決行した。その後、逆らうやつは許さないと、日本人最初の宇宙飛行を承認した当時のTBS田中社長への、マスコミによる非難が始まった。非難されたのが会社の業績を良くするために証券会社経由で投資を行い、利益を上げたことがケシカランというものだ。その結果、社長交代に追い込んだ、という記憶がある。普通なら良くやったとほめられる筈なのに、政府や国家権力の手先になったマスコミに、イチャモンを付けられたのだ。政府に逆らい、チョット尖がって凄いことを行った同業者の社長を追い込むために、権力機構やマスコミは、下品で気味の悪いことを行うものだなあと、当時思った記憶がある。
そのおかしなマスコミには、フジテレビや週刊新潮、週刊文春は絶対入っているだろうなア。
そういえば、秋山さんに関することでNHKの気味悪さを思い出した。日本で最初の宇宙飛行士を毛利さんと紹介するのだ。我々は秋山さんの宇宙からの中継を見ているのに、屁理屈をつけて2番目の毛利さんに名誉を渡したい人たちに協力しているのだろう。
NHKは原発事故直後に、自分達は福島を撤退したが、福島県の住民には安全と報道し続けた放送局だ。また、10月に入っても原発内で水素が発生した理由を「強い放射能で水が分解した」と言っている。実際には水素爆発直後に大前研一やCNNなどが解説していたように、メルトダウン時に燃料棒外皮金属の酸化で、高温になった金属が水(水蒸気)から酸素を奪ったので水素が出たのだ。NHK社内の科学部の人たちが、分解説を信じているとしたらお粗末な人たちだ。真実を知っていながらNHKが恣意的にウソの解説をしているとしたら、マスコミ失格だ。

汚染モニタリング(文部科学省)    7月27日版

最新(2011.11.11版)



原発事故後の新米は、店で売っている一番西にある地域(宮崎、石川、富山)のものを買っていたが、石川、富山よりも青森のほうが安心のようだ。



2012.06.08公開。2012年3月頃の値になっているので、上の2011年11月の表とつなげて公開されない。
お上はわざわざ情報を変えることに、労力を使ってご苦労なことだ。



2012.06.15公開(中国地方)

多いなあ。発表が遅れたのは多いからかあ。

2012.05.18に四国分が発表された。


一見して九州は、神奈川なんかより汚染されている。

何故か近畿や中国、四国よりも早く九州の汚染図が2012.05.11に発表になった。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/6000/5197/24/191_0511.pdf
関西が高い汚染なので、関西電力の原発再稼動に不利になると、誰かが遅らせているのだろうか。
対馬が高い。
最近は海藻を韓国産にしているので心配だ。


2012.08.03

PDF


     









福島、宮城は発表出来ないほど、高いのだ。公表しないほうが人心への影響が少ないと判断しているのだ。
距離の2乗に比例すると考えると茨城県の2桁以上を考えないとなあ。

新宿の地上1メートルの放射線量は2011.12の新聞では0.071マイクロシーベルト/時間という。0.071マイクロシーベルト/hをベクレルに直すと34,000ベクレル/平方メートルだ。
今はセシウムだけが残っているのだろうから17,354Bq/ux4ヶ月=69,412Bq/uの落ちてきたセシウムが全て地上に沈着すると、0.15マイクロシーベルト/時間になるはずだ。
測定は土の場所ではないのだろうから、降下したセシウムが流れて出て少なくなっているのが分かる。計算式

私は神奈川県在住だ。


1平米当り10000ベクレル以下だと発表されてもなあ。基準が高すぎるんじゃない。

少なくとも、サンプル(データがある)場所だけでもいいので原発事故前の数値も同時に公表すべきだろう。

それと、セシウム134(半減期2年)と137(半減期30年)の比率もだ。下図の10k-30k部分の面積からは6:4で137が多いような感じだ。





鹿児島茶を買ったばかりだった。鹿児島の汚染が少なくてよかった。
対馬が汚れている。安心な海藻系の食品として、最近は韓国産のひじきを買っていたがチョット心配になる。
食品は安全と思い九州産を積極的に買っていたが、日本で安全なのは北海道産、沖縄産なのかな。



2012.06.08公開


ちなみに「1uの土地表面から毎秒1万回も核分裂(10000ベクレル)が起きている」とすると、一日に8億6400万回の分裂(崩壊)が起きている。
また、それがセシウム134が4000ベクレル、セシウム137が6000ベクレルと仮定すると、半減期を考慮しても一年で3000億回の分裂だ。
2年間で5600億回の分裂(崩壊)による被曝を受ける。


CS(セシウム)はK(カリウム)に、SR(ストロンチウム)はCA(カルシウム)に間違えて体に吸収される。周期表
ストロンチウムやプルトニウム、ウランの地表面への沈着量は、いまだに発表されていない。
10000ベクレル以下の数値を発表しなかったりする政府は、情報隠蔽が税金を使っての仕事になっているんだろう。
汚染対応から逃げるために行っているに違いない。
自治体の神奈川県や横浜市が、県民や市民のために独自の詳細な汚染地図を作ることに反対する県民や市民はいない。
小学生でも判断できる不活性化ポリオワクチン接種なんていうことを立派な仕事みたいに言ってもよいが、汚染対応もやって欲しいものだ。
そちらの方も子供でも政治家でも判断できる簡単な仕事である。

しかし、こんなデータ(意見)もある。生物は放射線にさらされ続けてきたからなあ。でも正しいと確認されるまでは避けたほうが安心で正しい行動と思う。
上の意見が正しくても間違っていても、3月15日に首都圏の国民に対して高い放射能濃度の大気が来ることを知らせず、無為に数千万人を被爆させた政府の責任は大きい。
5年後にはガン、奇形児の傾向が明らかになるだろう。ガン死は10年後に最大になるという。
また、被爆者手帳はどの範囲で出るんだろう?

海洋汚染

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ちなみに、私は原発事故時に外国にいた。
CNNやNBC、CCTVなどの外国メディアは福島からの風向きを報道し、日本政府や日本のマスコミ(インターネットでNHKとフジTVが見れた)は国民に隠した。
放射線量情報も、日本は情報が取れないといって隠し、半年以上たってから一部を公開したが、フランスなどは大使館内の放射線量リアルタイムで公開、首都圏を放射能が襲う時は、事前に建物内から外に出ないようアナウンスした。
日本政府は、自分たちにとって都合が悪い情報を隠し、数千万人の国民に余計な被爆をさせた。
NHKよりCNN、CCTV(中国放送)のほうが、正しい原発事故状況と情報を流した。
宋文州も同じ事を書いている。



群馬が多い。本当?山岳地帯が高いのだろうが、いままでほうれん草などを買っていた。群馬野菜を買うときは、産地が平地であることを確かめた方がよい。群馬の地名を覚えなくては。
いままで福島>茨城>宮城>千葉>栃木>群馬だと思っていた。




上の表の円換算
1ドル 79円、1ユーロ 101円で換算


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  放射性ヨウ素 放射性セシウム
県衛生研究所 40 40
民間検査機関 20 2〜20(検体により異なる)
単位 石炭火力 ガス火力 原子力
電気事業連合会(2004) 円/kwh 5.7 6.2 5.3
米MIT(2003) 円/kwh 3.3 3.2 5.3
米シカゴ大学(2004) 円/kwh 2.6-3.2 2.8-3.6 4.0
米CBO(2008) 円/kwh 4.3 4.5 5.7
仏DGEMP(2004) 円/kwh 3.4 3.5 2.9
フィンランド(2003) 円/kwh 4.5 4.0 2.4

          ****

読売新聞

コピー

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、気象庁が同原発から出た放射性物質の拡散予測を連日行っているにもかかわらず、政府が公開していないことが4日、明らかになった。

ドイツやノルウェーなど欧州の一部の国の気象機関は日本の気象庁などの観測データに基づいて独自に予測し、放射性物質が拡散する様子を連日、天気予報サイトで公開している。日本政府が公開しないことについて内外の専門家からは批判が上がっており、政府の原発事故に関する情報開示の在り方が改めて問われている。

気象庁の予測は、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づくもの。国境を越える放射性物質汚染が心配されるときに、各国の気象機関が協力して拡散予測を行う。

同庁では、東日本大震災当日の3月11日から毎日1〜2回、拡散予測を計算している。具体的には、IAEAから送られてきた放射性物質の放出開始時間や継続期間、どれくらいの高さまで上ったかを、風向きや天候など同庁の観測データを加えた上で、スーパーコンピューターに入力し、放射性物質の飛ぶ方向や広がりを予測している。

(2011年4月4日14時30分 読売新聞)

枝野官房長官記者会見 
(コピー)
ウソつきだ。
このウソは国民のためにはならないウソだ。
誰のためのウソなんだろう。



日本政府はやらなかったので、東日本の人間が大量被ばくだ。



***



産経2011.08.25記事

 WHO 水質検査
    (2011.08.01版)


8年後でもこんな記事が出る。

2019/03/11

福島第一原発事故8年 2011年3月21日に何が起きたのか? 米エネルギー省のデータが示す事象とは?
飯塚真紀子 | 在米ジャーナリスト
3/11(月) 15:25
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3月20-21日に、福島第一原発3号機で大きな放出イベントが起きていたのか?(写真:ロイター/アフロ)

 データは、その時々に起きた事象を映し出す。

 米国エネルギー省が、原発事故直後から、各地の放射線量を時々刻々と計測していたことは、前回の投稿(3.11から8年 “トモダチ作戦”で被曝した米兵23人が癌に 米連邦地裁は米兵の訴訟を却下)の中で触れた。

 ECRR(欧州放射線リスク委員会)科学事務局長のクリス・バズビー博士によると、米国エネルギー省の測定データの中で、注目すべきは、東京のアメリカ大使館のハリスタワー屋上で2011年3月21日に計測されたデータだという。データをみると、3月20日夜から3月21日夜にかけて、セシウム137の数値が急上昇しているというのだ。

「20日夜から21日朝にかけて、線量が急上昇する事象が発生したと推測される」

とバズビー博士はいう。

3月21日、東京のアメリカ大使館屋上では高濃度のセシウム137が計測されていた。『封印された「放射能」の恐怖』(講談社刊)より。
核実験時の約1000倍
 20日と21日の線量の中間値を比較すると、その急上昇はすさまじい。セシウム137の場合、その数値は、21日は20日の約420倍も上昇していたのだ。

 ちなみに、3月21日午後12時45分42秒に、アメリカ大使館のハリスタワー屋上で計測されたセシウム137は約2.32ベクレル/立方メートルという最大数値を示していた。これは、イギリスの核実験時のセシウム137の最大降下量約2.7ミリベクレル/立法メートルの約1000倍という莫大な量だという。

 3月21日はまた、茨城の観測所でも線量が急上昇し、以降、上昇したままの状態が続いていた。

 21日に何が起きたのか? 

 当時のニュースを見てみると、21日は「午後3時55分ごろ、3号機から灰色がかった煙が上がり、その後、煙は少なくなった」という報道や「午後6時20分すぎに2号機の原子炉がある建物で、屋根の山側の隙間から白い煙が出ているのが見つかった」という報道があった。しかし、アメリカ大使館屋上での測定データでは、それより前の午後12時45分42秒にセシウム137の数値が最大になっているので、これらの煙と関係があるかは定かでない。

 21日は関東地方で降雨があり、風向きも南方向に変わっていたため、線量の急上昇はそれに起因するという指摘が多いが、降雨と風向きの変化だけで、これほど数値が急上昇するのか?

 バズビー博士は「3月20日夜から21日朝にかけて起きた何らかの事象が、関東地方を汚染した」と推測している。

3月20-21日、3号機で放出イベントがあった
 しかし、“何らかの事象”とは何なのか? 

 群馬大学教育学部地学教室の早川由紀夫教授が執筆された「福島第一原発 2011年3月事故による放射能汚染と健康リスク評価」という論文の中に、以下のような記述を見つけた。

ー放射性物質は原発から連続的定常的に放出されたのではなかった。3月12日、3月15日、それから 3月20-21日に大きな放出イベントがあった。原子炉格納容器の圧力が低下あるいは上昇したときに対応する。順に1 号機、2号機、3号機からの放出だった。ー

 3号機が爆発したのは3月14日。しかし、3号機から大量の放射性物質が漏れたのは3月20-21日だというのだ。

 また、早川教授は、3号機で3月20-21日に起きた大きな放出イベントが首都圏東部を汚染したと、以下のように説明している。

ー20日23時ころ原発を出発した放射能霧は、6m/s (20km/h)で太平洋上を南に進んだ。そして翌 21日5時に大洗、6時に鉾田を通過して、7時 20分に霞ヶ浦上で雨雲と衝突した。この放射能霧が移動した痕跡は、幅5kmの帯内にあるスギ林がひどく汚染され ているのを、いまでも確認できる。雨雲と衝突したあとも放射能霧は雨雲の下層を南西に向って進み続け、阿見・守谷・柏の地表を放射性物質で汚染した。 9時には東京新宿に達した。首都圏東部に見られる中程度の汚染と南部の木更津や熱海に見られる軽微な汚染はこのとき生じた。それは断続的な降雨に伴って23日まで続いたが、初日21日の汚染がもっともひどかった。ただしヨウ素は22日にも大量の降下があった。ー

高汚染されていた東京のエアコン・フィルター
 バズビー博士が推測した“何らかの事象”がこの放出イベントであるとするなら、それにより、関東地方が汚染されたことは、バズビー博士の元に送られてきたエアコン・フィルターのダストを分析した結果を見ても明らかだ。このことは、筆者が訳した『封印された「放射能」の恐怖』(講談社刊)の中に詳しく記されているが、かいつまんで説明したい。

 原発事故から1年以上を経た2012年6月、バズビー博士の元に、あるエアコン・フィルターが送られてきた。送り主は、港区西新橋のタワーマンション20階に居住していたマリアさん。マリアさんは原発事故で東京が汚染されているのではないかと気になっていたのである。バズビー博士が、そのエアコン・フィルターのダストに含まれている放射性核種を測定したところ、11万ベクレル/kgという非常に高濃度のセシウム137が検出された。核種の崩壊を考慮すると、2011年3月の事故当時では、13万ベクレル/kgという莫大な量のセシウム137があったと推測されるという。

 同じエアコン・フィルターからは、3020ベクレル/kgのウラン238、自然状態の120倍もある240ベクレル/kgの濃縮ウラン(ウラン235)、7500ベクレル/kgという高濃度の鉛210(原子炉由来)も検出された。

 3月21日に東京を汚染させた事象が、この測定結果を生み出したのではないかとバズビー博士は考えている。

 3月20日-21日、関東を汚染させるような事象が3号機で起きていたのか? しかし、見たところ、3月20-21日に、3号機で大きな放出イベントが起きたという発表や報道は見あたらない。

 原発事故から8年。まだまだ明らかにされていないことがあるのではないか?

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飯塚真紀子
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